Mozillaが「Firefox 100」を公開

 Mozillaは5月3日、オープンソースのWebブラウザ最新版となる「Firefox 100」公開を発表した。2004年にバージョン1.0を公開以来、8年での3桁到達となり、Linux、macOS、Windows向けのデスクトップ版、Android向け、iOS向けも全てバージョン番号を100に揃えた。

 FirefoxはNetscapeの流れを汲むWebブラウザで、Microsoftの「Internet Explorer」がブラウザ市場を独占していた最中にオープンソース化されたNetscapeのコードベースを土台にして開発された。2002年に登場、同時期に非営利団体としてMozilla Foundationを設立し、開発母体とした。2004年11月のバージョン1.0公開時は、クラウドファウンディングで募った資金で「New York Times」に全面広告を出稿。ロゴと共に、最初のリリースに関わった人の名前を全て掲載したことも話題となった。

 一時期は40%を超えていたシェアだが、現在は3.41%(StatCounter調べ)。後発の「Google Chrome」をはじめ、「Apple Safari」「Microsoft Edge」の後塵を拝している。Firefox 100は4月に公開されたバージョン99に続くリリース。動画では、Picture-in-PictureモードでYouTube、Netflix、Amazon Prime Videoを視聴する際の字幕とキャプション表示をサポートした。また、CouseraなどWebVTT(Web Video Text Track)を使うWebサイトについても、Picture-in-Pictureで字幕表示を利用できるようになった。初回起動時にFirefoxがデバイス側で設定されている言語を認識し、Firefox側のデフォルト言語と異なる場合に言語を切り替えるかどうかを尋ねるようになった。

 ブラウザのスペルチェッカー、英国でのクレジットカードの自動入力サポートなども加わった。LinuxとWindows 11でのスクロールバーを強化し、デフォルトではスペースを取らないようになった。システム設定より変更できる。Windowsでは、対応するGPU(Intel Gen 11+、AMD RDNA 2 Excluding Navi 24、GeForce 30など)を搭載するマシン上でハードウェアアクセラレーションを利用したAV1動画のデコードが可能になった。利用には、Microsoft StoreよりAV1 Video Extensionをダウンロードする必要がある。Windowsではまた、Intel GPUでビデオオーバーレイが有効になり、動画再生時の消費電力を削減できるという。macOS 11以上でHDR動画をサポートした。まずはYouTubeより利用できる。

 このほかにも多数の細かな強化が加わっている。なお、バージョン番号が3桁となることで一部のWebサイトが適切に動作しない可能性があると警告している。バージョン番号が3桁になるという点では、Google Chromeは3月にバージョン100を公開している。

Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/