Debian Projectリーダーは現職のJonathan Carter氏に、3期目

 The Debian Projectの事務局は4月21日、Debian Projectのリーダーを決める選挙の結果を発表した。2022年に初当選した現職のJonathan Carter氏が2回目の再選となった。Debian JP Projectのやまねひでき(Yamane Hideki)氏も立候補したが、当選はならなかった。

 Debian Projectでは毎年Debian開発者全員による投票でリーダー(DPL; Debian Project Leader)を決定する。DPLはDebian Projectの代表としての役割を持ち、プロジェクトの管理、目標の定義、プロジェクトに関する代理人任命や権限の付与、さらには他の組織や企業とのやり取りなども任務とする。任期は1年。

 今年は3月5日〜11日の指名期間、3月12日〜4月1日のキャンペーン期間を経て、4月3日〜16日が投票期間となった。候補者はCarter氏のほか、Felix Lechner氏、日本のDebianコミュニティのメンバーであるやまねひでき(Hideki Yamane)氏の3人。

 Lechner氏は米国在住で、「Debianに関わる人の幸福とウェルビーイングを昇華させる」として、Debian界隈に漂うという皮肉や怒りを葬ると提案していた。やまね氏(アカウントネームは”henrich”)は2010年よりDebianコミュニティに参加し、Debianメンテナーとして貢献。日本語への翻訳なども行ってきた。プラットフォームでは「過去最悪」の候補者として、英語を母語としないこと、貢献者間の争いの調停のスキルがないことなどを警告しつつ、「貢献者とユーザーにより良いDebian”体験”を提供したい」などの動機を綴っていた。Carter氏は、任期中に進められなかったことを進展させたり、ファームウェアの変更についての議論を進めていきたい、としていた。アジェンダとして、Debianを正式な組織として登録することの検討を進めることなども挙げていた。

 期間中1023人の開発者が投票、コンドルセ方式によりCarter氏が再選した。3期目となるCarter氏の新チームはすぐに稼働に入る。

Debian Project
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