Unicode 14に対応した「GNU C Library 2.35」が公開

 The GNU C Library(glibc)開発チームは2月3日、最新安定板となる「GNU C Library 2.35」を公開した。

 GNU C Library(glibc)は標準のCライブラリ実装で移植性と性能を特徴とする。GNUおよびGNU/Linuxシステムなどが用いるコアライブラリで、ISO C11、POSIX.1-2008、BSD、OS固有のAPIなどのAPIを提供する。ISO C11、POSIX.1-2008、IEEE 754-2008などの標準と足並みを揃えている。  GNU C Library 2.35は2021年8月に公開したバージョン2.34に続く最新版。

 Unicode 14.0.0のサポートとして、文字エンコード、文字型情報、翻字テーブルが新しくなった。C.UTF-8ロケールのサポートも加わった。有効なUnicodeの符号点のソートなどの機能に対応する。

 デバッガーインターフェイスのBump r_versionが2となり、新しいフィールドや複数の名前空間を使用できるようになった。  rseq(Restartable Sequences)システムコールを持つスレッドの自動登録をサポートした。rseqはLinuxカーネル4.18で実装されたシステムコールで、Restartable Sequences ABIはper-CPUデータ上のユーザー空間のオペレーションを高速にする。

 glibc.rtld.dynamic_sort、glibc.malloc.hugetlbなどのTunableが新たに加わった。glibc.rtld.dynamic_sortは2種類のDSOソーティングアルゴリズムから選択できるもので、glibc.malloc.hugetlbは大規模なページの処理について指定できる。  このほかにも多数の強化が加わった。  また、共通脆弱性識別子(CVE)が振られた4件の脆弱性など、セキュリティやバグの修正も施されている。

GNU C Library
https://www.gnu.org/software/libc/