MariaDB、投資会社と合併してNYSE上場へ
フィンランドMariaDBは2月2日(米国時間)、1億400万ドル規模のシリーズD投資ラウンドをクローズし、Angel Pond Holdingsと合併してニューヨーク証券取引所(NYSE)に株式公開する計画を発表した。「次の成長フェイズに入る」と意気込む。
MariaDBは、オープンソースのデータベース「MariaDB Server」の開発とサポートを提供する企業。無償の「MariaDB Community」のほか、有償の「MariaDB Enterprise」、クラウド版「MariaDB SkySQL」などのポートフォリオを持つ。 MariaDBプロジェクトは、オープンソースのRDBMSであるMySQLのオリジナルコードを作成したMichael “Monty” Widenius氏らが、MySQLのフォークプロジェクトとして2009年に立ち上げた。その後、MariaDBの開発とサポートを行うフィンランドSkySQLとWidenius氏のMonty Programが2013年に合併し、MariaDB Corporation Abが誕生した。 ちなみに、MySQLは、MySQLのサポートを行うスウェーデンMySQL ABが2008年にSun Microsystemsに買収され、翌年米OracleがSunを買収したために、Oracle傘下となった。現在もプロジェクトは存続中。
MariaDBは現在、Debian、CentOS、Fedora、Red Hat Enterprise Linux、openSUSEなど主要なディストリビューションにデフォルトで含まれている。 今回MariaDBは、Angel Pond Holdingsとの合併、Angel Pondの出資者および既存のMariaDB投資家による1億400万ドル規模のシリーズD投資ラウンドの実施を発表した。合併後のMariaDBの企業評価額は、約6億7200万ドルという。
Angel Pond Holdingsはケイマン諸島を拠点とする特別買収目的会社(SPAC;Special Purpose Acquisition Company)。元Goldman SachsパートナーのTheodore T. Wong博士、中国Alibaba Groupの共同創業者Shihuang “Simon” Xie氏が共同創業し、現在NYSEでティッカーシンボル”POND”として上場している。なお、MariaDBは2017年、Alibabaが率いる投資ラウンドで2700万ドルを調達している。
合併後の社名はMariaDB(MariaDB plc、現在はMariaDB Corporation Ab)で、現在MariaDBを率いるCEOのMichael Howard氏が続投する。また、新生MariaDBの株式はニューヨーク証券取引所(NYSE)で取引されることになるという。ティッカーシンボルは”SPAC”。 MariaDBは「我々は急速に成長中のオープンソースデータベースソフトウェア企業であり、NYSE上場のAngel Pondとの提携によりNYSE企業として新しい成長フェイズに入る」とコメントしている。 取引は、米証券取引委員会(SEC)の承認などの条件をクリアした後、2022年後半に完了を見込む。
フィンランドMariaSB
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