Apache Software Foundationのプロジェクト数が350件突破、価値は220億ドル相当に

 非営利団体のApache Software Foundation(ASF)は8月31日(米国時間)、会計年2021年(2020年5月1日ー2021年4月30日)の年次報告書を発表した。

 Apache Software Founndation(ASF)は、HTTP Serverの開発母体として1999年に設立された。その後、オープンソースソフトウェアプロジェクトを受け入れ、組織、法、財務の面でオープンソースプロジェクトを支援してきた。通常、Apache Incubatorとしてスタートし、プロジェクトのガバナンス体制や活動が認められるとトップレベルプロジェクト(TLP)に昇格する。開発者は全てボランティアとして開発に関わっており、コードの総行数は2億2700万以上。ソフトウェア開発の工数の見積もり手法であるCOCOMO(Constructive Cost Model)で金額換算すると220億ドル相当としている。

 現在、プロジェクトの数は351件に達しており、この1年で14件のプロジェクトがIncubatorからTLPに昇格した。35件のプロジェクトが、Incubatorの下で開発が進んでいる。通年で1万7758人の作者が78万以上のトピックについて218万4000件以上の電子メールを送った。

 最も活発なApache Project5件は、Apache Kafka、Apache Hadoop、Apache ZooKeeper、Apache POI、Apache Logging。コミット数でのトップリポジトリは、Apache Camel、Apache Flink、Apache Airflow、Apache Lucene-Solr、Apache NuttX(incubating)と発表している。GitHub上での訪問数が多かったプロジェクトは、Apache Spark、Apache Flink、Apache Kafka、Apache Arrow、Apache Beamという。財務面では、資金調達が年度目標額を上回ったと報告している。通年の収入は304万7862ドル、支出は159万9320ドル。収入は前年の223万ドルを約81万ドル上回った。イベントやカンファレンスからの売り上げは減ったものの、ACA Conferenceのスポンサーシップ、寄付が増えたことが大きく起因している。

 現在のスポンサーは、プラチナが9社(Amazon Web Services(米Amazon)、Facebook、Google(米Alphabet)、中国Huawei Technologies、米Microsoft、米Namebase、Pineapple Fund、中国Tencent Cloud、米Verizon Media)、ゴールドが10、シルバーが8、ブロンズが30。このほか、ターゲットスポンサーでもプラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズで合計30社が支援している。個人レベルでは630人が寄付を行なった。

 このほか、この1年の活動として、インフラ開発ツールとサービスが新しくなったこと、データプライバシー専門のWebサイトを開設したこと、オンラインイベント「ApacheCon Home」を初開催したことなども報告している。

The Apache Software Foundation(ASF)
https://www.apache.org