「GTK 4.4」が公開

 UIツールキット「GTK」開発チームは8月23日、最新安定版となる「GTK 4.4」を公開した。

 GTKはGUI構築のためのUIエレメントのセット。開発者はC、JavaScript、Pythonなど自分の好きな言語で開発し、Language Bindingsやラッパーを使ってGNOMEバインディングを活用したアプリケーションを作成できる。GTK 4.4は2020年末に登場した4系の最新安定版。

 GTK Scene Graph Kit(GSK)では、バージョン4.2で導入したNGLレンダラーを強化した。性能、および変換や部分フォントカラーの処理などを改善したほか、ARM Maliドライバーで適切に動作するようになった。NGレンダラーの進化に伴い、これまでのGLレンダラーは次のサイクルで削除するとしている。

 OpenGL設定コードをクリーンアップして簡素化した。EGLはバージョン1.4となり、X11でEGLを用いるなどEGLへの依存を強めるとしている。WindowsではWGLがデフォルトとなる。テーマを再構成して名称変更し、Default、Default-dark、Default-hc、Default-hc-darkの4種類となった。Adwaitaテーマはlibadwaitaに移行した。インプット処理でも強化が加わっている。デッドキーのサポートを強化し、シーケンスの作成やデッドキーの処理でIBusのビルトインのインプット手法の振る舞いにマッチするようになった。また、絵文字データベースをCLDR 39にアップデートした。

 

デバッグではInspectorがデフォルトで有効となり、GTKアプリケーションのデバッグが容易になるとしている。Windowsでは、メディアの再生でGLを使用するようになった。タブレットなどの入力デバイスでは、wintab APIに代わってWinPointer APIを使用するようになった。DNDのサポートを改善し、ローカルのDNDプロトコルが削除された。  このほかにもバグの修正や細かな強化が加わっている。

GTK
https://www.gtk.org