FSFが「GitHub Copilot」に疑問視、ホワイトペーパーを募集
フリーソフトウェアを支援するFree Software Foundation(FSF)が、Git Hub(米Microsoft)のペアプログラミングサービス「GitHub Copilot」がフリーソフトウェアに与える影響についてホワイトペーパー作成を求めている。認められたペーパーの作者に500ドルを支払うという。
GitHub Copilotは6月末にGitHubが発表したAIプログラミングサービス。現在テクニカルプレビューとして提供されている。機械学習を使い、開発者にコードスニペットを提案するものだが、GitHubにホスティングしているコードを使ってニューラルネットワークをトレーニングしていることもあり、FSFでは以前からフリーソフトウェア開発者に対して、GitHubに自分のコードをホスティングしないように推奨していた。
「Copilotはフリー/リーブルではないソフトウェア(Visual Studio、Visual Studio Codeの一部)を動かすことを要求している」こともあり、不公平で許容できないとしてきたが、FSFによるとこれ以外にも深く精査する必要がある問題が出てきた。と説明している。そこで、Copilot、著作権、機械学習、フリーソフトウェアを扱うホワイトペーパーを募集し、問題についての啓蒙を促すものを公開し認知を広げる。具体的な関心領域としては、「著作権を侵害した公開リポジトリ上でトレーニングしているのか? フェアユースか?」「Copilotのアウトプットが、GPLでライセンスされている作品を侵害していることを主張する可能性はどのぐらいあるか?」「Copilotが生成する侵害に対して、開発者はどのようにして自分が著作権を持つ任意のコードを保護できるのか?」などを挙げている。
ホワイトペーパーはメール(licensing@fsf.org)にて提出、期限は東部標準時8月23日午前10時(日本時間では8月24日深夜0時)。英語が推奨だが、他の言語も考慮するとのこと。この他、フォーマットや文量など注意事項がある。認められたホワイトペーパーの作成者には、500ドル(1ペーパーあたり)を支払う。
Free Software Foundation
https://www.fsf.org