6年ぶりのメジャーリリース「Apache Cassandra 4」が登場
Apache Cassandra Projectは7月27日(米国時間)、オープンソースNoSQLデータベースの最新のメジャーリリースとなる「Apache Cassandra v4.0」公開を発表した。
Apache CassandraはNoSQLに分類される分散型データベース。Javaで実装されており、マスターレスアーキテクチャ、低遅延、フォールトトレラントなどの特徴を備える。同期または非同期レプリケーションを選択でき、DML/DDL/DCLを追跡するオペレーターのロギング機能もある。米Apple、中国Huawei Technologies、米Netflixなど多数の採用実績を持ち、Appleでは1000以上のクラスタ構成上に、16万以上のインスタンスを構築、データ量は100ペタバイト以上に及ぶという。Apache Cassandra 4.0は2015年に公開されたバージョン3系に続くメジャーリリース。当初7月19日の公開を予定していたが、バグが見つかったためにリリースが約1週間遅れた。
Java 8に加え、Java 11をサポートした。Apache Cassandra 4のJDK 11は実験的機能であり、運用環境での利用は推奨しないと留意している。APIを使う仮想テーブルをサポートした。CQLを通じてメトリクスをエクスポーズしたり、YAMP設定情報をエクスポーズできるようになる。速度と拡張性を強化し、拡張オペレーション時のデータのストリームが5倍高速になり、読み取りと書き込みを最大で25%改善できるという。ガベージコレクターの強化により、遅延も改善するという。圧縮効率も改善した。
データの一貫性機能も強化し、データのレプリカを同期することでインクリメンタルな修復を最適化する。データのレプリカ間の一貫性を強化しつつオペレーションを効率化できるとしている。セキュリティと可観測性(オブザーバビリティ)では、性能への影響を最小限に抑えつつ、監査ログによるユーザーアクセスやアクティビティ追跡が可能になった。SOX、GDPR、PCIなどの規制遵守を支援するという。 ライブクエリロギングをサポートするFull Query Logging(FQL)を導入した。ライブトラフィックのキャプチャ、トラフィックのリプレイに適しており、ヒープメモリとディスク容量の上限を設定できるためout-of-memoryエラーを防ぐことができるという。
このほかにも、既存機能の細かな強化、バグの修正が加わっている。
Apache Cassandra
https://cassandra.apache.org/