「Deno 1.10」が公開
JavaScript向けのランタイムDenoの開発チームは5月11日、「Deno 1.10.1」を公開した。
DenoはJavaScript、TypeScript向けのランタイムエンジン。V8とRustをベースとする。単一の実行ファイルとして提供され、明示的な指示のない限りファイル、ネットワーク、環境にアクセスしないなど安全性を特徴とする。依存性インスペクタ、コードフォーマッタなどのツールをビルトインで備える。Node.jsの開発者らが開始したプロジェクトで、開発チームは3月にDeno Companyを立ち上げている。Deno 1.10は4月に公開されたDeno 1.9に続く最新版。1.10を公開直後に1件の修正を行ったものを1.10.1としてリリースした。
テストランナーのdeno testを強化した。これまでは単一のランタイムインスタンスで直列で実行されていたのが、各モジュール向けのランタイムインスタンスにより隔離して並列型で走らせることができるようになった。また、–jobsフラグのサポートも加わった。テストを走らせるときのスレッド数を指定できる。テストは、デフォルトでは直列型で実行される。また、各テストに権限を指定するpermissionsオプションも使えるようになった。
1.0よりサポートしているWeb Workersでは、Worker.postMessage()で構造化クローンアルゴリズムが加わった。これまでJavaScript、TypeScript、WASMを隔離した実行環境で並列的に動かすには制限があったが、この問題を解決するという。Web Storage APIのサポートが加わった。localStorageとsessionStorageで構成されるAPIで、ファイルシステムアクセスにダイレクトすることなく、小容量のデータを永続的に保存できる。1.8でサポートしたimport mapを強化し、リモート版が有効になった。import mapをローカルのファイルシステムに保存する必要がなくなり、HTTP経由で読み込むことができる。
このほかにも多数の強化が加わっている。
Deno
https://deno.land