Debian Projectのリーダーに現職のJonathan Carter氏が再選

 Debian Projectは4月18日、Debian Projectのリーダー選挙の結果、Jonathan Carter氏が再選したことを発表した。

 Debian Projectのリーダー(DPL; Debian Project Leader)はDebian Projectを代表する存在で、プロジェクトの管理、目標の定義、プロジェクトに関する代理人任命や権限の付与、さらには他の組織や企業とのやり取りなども任務とする。毎年、Debian開発者全員が参加する投票で決定し、任期は1年。これまで初代リーダーを務めたDebian創始者のIan Murdock氏(故人)、Bruce Prens氏などがリーダーを務めた。

 2021年の投票プロセスは3月7日にスタート。3月13日まで指名を受け付け、その後4月3日までのキャンペーン期間を設けた。投票は4月4日から17日まで(全て協定世界時)。選挙は、2020年に初当選した現職のJonathan Carter氏とSruthi Chandran氏の対決となった。

 Carter氏は南アフリカ在住で”highvoltage”あるいは”jcc”として知られる。キャンペーンでは、1)平常感覚を取り戻す、2)実験や挑戦を許容する、3)コミュニケーションの改善を目的としたコミュニティの構築の3つを優先順位に掲げていた。対するChandran氏は、インド出身の女性開発者。Debianをはじめとしたフリーソフトウェア界における女性の比率の低さに問題意識を持ち、状況改善に務めてきた経緯を持つ。キャンペーンでは、1)予算や活動面のダイバーシティ、2)リーチ拡大、3)コミュニティ強化の3つを掲げた。

 1018人の開発者が投票、コンドルセ方式によりCarter氏が再選した。Carter氏をリーダーとしの新チームは、4月21日より稼働に入る予定だ。

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