プライバシー保護を強化した「Firefox 87.0」公開、SmartBlock導入
Mozillaは3月23日、「Firefox 87.0」を公開した。サードパーティの追跡スクリプトをスマートに遮断する「SmartBlock」など、プライバシー保護関連の機能が強化されている。Firefox 87は2月末に公開されたバージョン86に続く最新のメジャーリリース。
最大の特徴は、追跡を遮断する新しいメカニズム「SmartBlock」の導入。これまで、プライベートブラウジングと厳格（Strict）モードで採用しているコンテンツブロック（Content Blocking）は、外部のスクリプトやイメージを自動で遮断するため、Webサイトが正常に表示されるために必須のコンポーネントまで遮断してしまう問題が一部で発生していた。SmartBlockはこれを解決するもので、遮断された外部の追跡スクリプトの代替をローカルで提供する仕組みとなる。これにより、ユーザーのプライバシーを保護しながらコンテンツブロックにより破損されたWebページを修正するとしている。これにより、読み込みの時間も改善されるとしている。
プライバシー保護ではまた、リンク元を示すためにブラウザが送信するリファラのヘッダで新たなポリシーが‘strict-origin-when-cross-origin’ となった。HTTPSの実装が主流になっていることを受けての変更となり、ユーザーの機密情報をトリミングすることで、重要なユーザーデータが偶然漏洩してしまう事態を防ぐとしている。
このほか、ページ内検索の「全て強調表示」を強化し、スクロールバーに検索ヒットした場所に対応して表示するようになった。macOS内蔵のアクセシビリティ機能の1つであるスクリーンリーダー「VoiceOver」をフルサポートした。開発者向けでも様々な強化が加わった。例えばPage Inspectorで、CSSのメディア特性でカラーテーマが明色か暗色かを検出するprefers-color-schemeをOSのライトモード/ダークモードを変更することなく利用できるようになった。Web開発メニューも簡素化された。このほかにも、細かな機能強化やバグの修正が加わっている。
同日、法人向けのFirefox ESRについても、最新版となる78.9.0を公開している。
