Red Hatが企業におけるオープンソース利用調査を発表、コンテナの受け入れが進む

 オープンソースを利用する企業は90%にのぼるなど、企業におけるオープンソースの利用は進んでいるが、その中でもKubernetesなどコンテナ関連の増加が目立つという。Red Hat(米IBM傘下)が年次調査「2021 State of Enterprise Open Source Report」を発表した。

 「2021 State of Enterprise Open Source Report」は、Red Hatが企業におけるオープンソースの利用状況を調べる年次調査。今年で3年目で、13カ国・約1250人の企業のITリーダーを対象にオープンソースの活用などについて調べた。

 調査では、90%の回答者が企業向けオープンソース技術を使っていると回答した。用途としてもっとも多かったのは「ITインフラのモダン化」で64%がこれを挙げた。次いで「アプリケーション開発」(54%)、「デジタルトランスフォーメーション」(53%)と続いている。なお、日本を含むアジア太平洋地区(APAC)では、「ITインフラのモダン化」「DevOps」「デジタルトランスフォーメーション」の順となった。

 分野別では、「ネットワーク」(54%)、「データベース」(53%)、「セキュリティ」(52%)。APACでは、「クラウド管理ツール」「データベース」「ビックデータと分析」となっている。コンテナとKubernetesについては、47%が運用環境で使っているなど、活用が進んでいることがわかった。「調査中」はわずか6%に止まった。今後12ヶ月のコンテナ利用については、「わずかに増やす」は42%、「大幅に増やす」が30%だったが、APACでは36%が回答した「大幅に増やす」がもっとも多かった。企業向けオープンソースを使うメリットについては、35%が「高品質のソフトウェア」を挙げた。このほか、「最新の技術にアクセスできる」(33%)、「セキュリティに優れる」(30%)などが挙がっている。自社セキュリティ戦略においてオープンソースが重要という企業は84%あったという。

 一方で、企業向けオープンソースの採用の障害も明らかになった。受け入れの障害としてもっとも多く挙がったのは「サポートのレベル」で42%、続いて「互換性」(38%)、「コードの安全性」(35%)、「社内のスキルがない」(35%)となている。

 「2021 State of Enterprise Open Source Report」は、Red HatのWebサイトから無償でダウンロードできる。

「2021 State of Enterprise Open Source Report」(英語)
https://www.redhat.com/en/resources/state-of-enterprise-open-source-report-2021?intcmp=7013a000003BkveAAC