「Firefox 86」公開、プライバシーの強化や複数Picture-in-Pictureウィンドウなど

 Mozillaは2月23日、オープンソースのWebブラウザ最新版となる「Firefox 86.0」を公開した。プライバシー保護で新機能を導入、Picture-in-Pictureは複数ウィンドウのサポートが加わった。Firefox 86.0は、1月末に公開したバージョン85に続く最新版。

 2019年に導入した動画コンテンツを別ウィンドウで表示するPicture-in-Pictureをさらに強化し、複数の動画をPicture-in-Pictureモードで表示できるMultiple picture-in-picture(multi-PiP)が加わった。キーボードによる早送りと巻き戻し操作もサポートした。なお、Mozillaは、Picture-in-Pictureを2020年のベスト機能の1つと位置付けている。

 Firefoxが差別化と位置付けるプライバシーでは、Total Cookie Protection(「State Partitioning or Dynamic First-Party Isolation」)が加わった。これまでは複数のWebサイトが同じ場所にクッキーを保存していたが各Webサイトごとに”保存するクッキージャー”を作成することで、クッキーによる追跡から保護する。バージョン85で導入したSupercookie保護機能とともに、クロスサイトのクッキーによる追跡から保護できるとしている。この機能は、厳格(Strict)モードで利用できる。

 このほか、印刷機能を改善した。デザインがクリーンになり、ユーザーのマシンのプリンタ設定との統合も改善するという。また、ローカルHTMLページでリーダーモードが使用できるようになるなど、不具合も修正した。また、本バージョンよりWebRTCのPeerConnectionsでDTLS(Datagram Transport Layer Security) 1.0のサポートがなくなり、全てのサービスでDTLS 1.2が最少要件となる。開発関連ではCSS image-set() が有効となり、レスポンシブなイメージをサポートするという。Developer Tools ToolboxのUIも改善し、使いやすさを改善した。

 Firefox 86はLinux、macOS、Windowsに対応するデスクトップ版をプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Firefox
https://www.mozilla.org/ja/firefox/