「Kubernetes 1.20」が公開、Dockershimが非推奨に

 Kubernetes開発チームは12月8日、コンテナオーケストレーションの最新版となる「Kubernetes 1.20」を公開した。合計42の機能強化に加え、Dockershimが非推奨となった。

 Kubernetes 1.20は8月に公開されたバージョン1.19に続く最新版。2020年に入り3回目、今年最後のリリースになるとしている。

 合計で42件の強化が加わった。そのうち11が正式扱いとなり、15がベータに昇格、16がアルファとして加わった。ボリュームスナップショットの操作をトリガーし、ユーザーが移植性のある形でスナップショットオペレーションを組み込むことができるVolume Snapshot Operationsが正式扱いとなった。スナップショットのサポートには、Snapshotコントローラ、Snapshot CRD(Custom Resource Definition)、Webhook認証をバンドルしたKubernetesディストリビューションが必要。

 kubectlから共通のデバッグワークフローを動かすことができるKubectl Debugがアルファからベータに昇格し、kubectl alpha debugからkubectl debugとなった。1.20ではサポートするトラブルシューティングシナリオも拡大し、コンテナイメージ起動時に異なるコンテナイメージやコマンドを使うpodの複製を生成する障害などが加わった。1.18で導入したAPI Priority and Fairness(APF)がデフォルトで有効となった。kube-apiserverがリクエストにタイアして優先レベルをつけることができる機能となる。

 また、Pod内でProcess IDs(pids)の数を制限するProcess PID Limitingが正式扱いとなった。Kubeletがノードシステムのシャットダウンを認識してpodsを正常終了するGracefulNodeShutdownをアルファ導入した。これらの新機能や機能強化に加え、1.20ではDocker向けのコンテナランタイムインターフェイス(CRI)shimであるDockershimが非推奨となった。これにより、Dockerのサポートが非推奨となり、将来的に削除となる。Dockerが生成したイメージはOpen Container Initiative(OCI)イメージ仕様をサポートしているため、今後もCRI互換ランタイムでクラスタ内で動かすことができるとしている。

Kubernetes
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