「GNOME 3.38 “Orbis”」が公開

 The GNOME Projectは9月16日、デスクトップ環境の最新版「GNOME 3.38 “Orbis”」公開を発表した。

 GNOME 3.38は3月に公開されたGNOME 3.36に続く最新版。GNOMEプロジェクトは半年に一度のライフサイクルを導入しており、そのサイクルに沿ったものとなる。約900人の貢献者から合計2万8000件近くの変更が加わった。

 初回起動時に機能を紹介する「Tour」が加わった。Rustで書かれており、デスクトップUI、アクティビティボタンなどのGNOME Shellの中核機能を開設する。

 設定(Settings)ではStandardユーザーアカウント向けにペアレンタルコントロールオプションが加わり、インストールするアプリケーションのフィルタリングなどが可能になった。ペアレンタルコントロールは既存のソフトウェア(Software)アプリケーション制限にも統合されている。また、指紋認証設定インターフェイスも導入、指紋採取機能のあるデバイスで指紋認証による不正アクセス保護を講じられるようになった。

 スクリーンキャストインフラを強化し、PipeWireとカーネルAPIを活用することでリソースの消費を効率化し、応答性を改善した。マルチモニタのサポートも強化した。systemdの統合も強化した。GNOME Web、Maps、Photos、Clocks、Sound Recorderなどのアプリケーションで強化が加わった。アプリを単一のビューにまとめてグリッド形式で表示し、ドラッグして配置を変更できるようになった。

 機能テストとデバッグ用の独自のインストーラーイメージを導入した。仮想マシンでのインストールを前提としており、起動にはUEFIサポート付きのGNOME Boxes 3.38が必要。アプリケーション開発むけにはGNOME 3.38 Flatpak SDKの使用を推奨している。

GNOME
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