APIファーストを強化、容易にアップグレードできる「Drupal 9」が公開

 オープンソースのコンテンツ管理システム(CMS)「Drupal」を開発するDries Buytaert氏は7月3日、最新のメジャーリリースとなる「Drupal 9.0.0」公開を発表した。

 DrupalはPHPで作成されたオープンソースのコンテンツ管理プラットフォーム。WYSIWYGエディタなどコンテンツのオーサリング機能を持ち、Webサイトやアプリケーションを構築できる。ライセンスはGPL。約12万人のユーザーを持ち、ドイツLufthanzaなど企業の導入事例も多数ある。

 Drupal 9は、2015年に公開されたバージョン8に続くメジャーリリース。Drupal 9はDrupal 8を土台としており、容易にアップグレードできる。一方で非推奨となったAPIもあり、検出できるツールでチェックできる。

 ページデザインを容易にできるレイアウトビルダー、WYSIWYGで操作できるメディア管理システムとコンテンツワークフローツールなど使いやすさを強化した。テンプレートエンジンTwigはバージョン2となった。言語は100以上をサポートする。従来のヘッドレス、分離モデル、APIファーストアーキテクチャをさらに強化した。JSON:APIを利用できるようになり、音声アシスタントなどを統合できる。このようなAPIファーストと構造化コンテンツモデルにより、Web、モバイルアプリ、JavaScriptフレームワークなど様々な用途で利用できるとしている。BigPile、Dynamic Page Cacheなどのキャッシュ技術を採用し、性能を強化した。セキュリティやEU一般データ保護規則(GDPR)などの規制遵守も特徴とする。

 Drupal 7は2021年11月までサポートし、商用のExtended Supportは2024年までとなる。次期版となるDrupal 10は2022年公開を予定している。

Drupal https://www.drupal.org