オープンソースの分散型分析エンジン「Apache Kylin 3.1」リリース

 ビックデータ向けのオンライン分析処理エンジン「Apache Kylin」開発チームは7月2日、最新版となる「Apache Kylin 3.1」を公開した。 Apache Kylinはオープンソースの分散型分析データウェアハウス。Javaで実装され、ビックデータ時代のOLAPを目指し、多次元キューブとApache Hadoop、Apache Sparkの事前処理を活用する。これにより、データ量の増加に影響されずクエリ速度を実現できるという。BIツールに統合することもできる。

Apache Kylin 3.1は2019年12月に公開された3系の最初のリリースとなり、10件の新機能が加わった。

最新版ではまず、KubernetesでのKylinと依存性実装のためのテンプレートが加わった。

また、KylinプッシュダウンクエリでのPostgreSQLサポートが加わった。合わせて、プッシュダウンクエリエンジンで複数のJDBCプッシュダウンランナーをサポートし、クエリ/アップデートを実行できるようになった。

 キューブマイグレーションのためのセルフサービスインターフェイスが加わった。これまで管理者がマニュアルでチェックしたり、バックエンドサーバーにログインする必要があったが、マイグレーションプロセスを簡素化できるという。

 キューブ構築エンジンとしてApache Sparkに加えて、Apache Flinkも利用できるようになった。このほかカスタムプロファイルでCAS、SAMLの両認証プラグインをサポートするなどの機能強化が加わった。また、142件のバグも修正した。

Apache Kylin
http://kylin.apache.org/