「Apache Kylin 3.0」リリース、リアルタイム分析処理機能を強化

 ビックデータ向けオンライン分析処理(OLAP)エンジン「Apache Kylin」開発チームは12月20日、最新のメジャーリリースとなる「Apache Kylin 3.0.0」公開を発表した。リアルタイム分析機能を中心とした機能強化が加わっている。

 Apache Kylinはオープンソースの分散分析エンジン。「ビックデータ時代のOLAP」を目指し、多次元キューブとApache Hadoop、Apache Sparkの事前処理を活用する。データ量の増加に関係なく、ほぼ継続的にクエリの処理時間を実現できるとしている。

 新機能として、カラムの行数カウントの集約ができるようになった。また、キューブの自動マージ機能を強化した。これまでは自動化の準備ができている新しいセグメントのイベントがトリガーとなっていたが、マージジョブが多すぎるという問題があった。そこで3.0ではマージのためのRest APIを用意し、管理性を高めた。

 このほか、セーフモードでジョブスケジューラーが利用できるようになり、Sparkを使った次元ディクショナリーの構築が可能になった。リアルタイムOLAPも強化し、ストリーミングコーディネーション機能をリファクタリングした。これらの機能強化により、ストリーミングデータへのクエリにおける遅延をサブ秒に抑えるという。また、キューブのメタデータ認証ルールをユーザーが設定できるようにした。バグも多数修正されている。

 Apache Kylin 3はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

Apache Kylin
http://kylin.apache.org/