分散リアルタイムコミュニケーションプロトコル「Matrix 1.0」リリース

 分散リアルタイムコミュニケーションのためのプロトコル「Matrix」の開発チームは6月11日、初の最新版となる「Matrix 1.0」を公開した。Matix 1.0 APIを実装したリファレンス実装となる「Synapse 1.0」も公開、非営利団体となるMatrix.org Foundationの設立も明らかにした。

 Matrixは安全かつリアルタイムの分散コミュニケーションのためのオープンなプロトコル。OlmとMegolmによるエンドツーエンドの暗号化、HTTP APIとSDK(iOS、Android、Web)、WebRTCによるVoIPサポートなどの特徴を持つ。リファレンス実装はApache License 2.0の下で公開されている。

 SynapseはMatrix 1.0について性能や機能ではなく正しく実装することにフォーカスしたとしており、そのため管理用のWebインターフェイスなどの機能は含まれていないという。

 本バージョンではサーバー認証にX.509を利用することで、サーバーサイドの信頼性を簡素化した。デフォルトでRoom Version 4を採用、異なるRoomバージョン間でアップグレードを特定できる機能も備える。

 Matrixチームは同時に、開発の母体となる非営利団体Matrix.org Foundationの立ち上げも発表した。

Matrix.org Foundation
https://matrix.org/