GStreamer 1.16に向けた開発版「GStreamer 1.15.1」が公開

 マルチメディアフレームワーク「GStreamer」開発チームは1月18日、最新の開発版となる「GStreamer 1.15.1」公開を発表した。次期版となるバージョン1.16に向けたの開発版となり、多数の機能強化が加わっている。

 GStreamerはCで実装されたマルチメディアフレームワーク。さまざまなフォーマットの音声や動画の再生・変換をサポートし、動画や音声の再生機能を持つマルチメディアアプリケーションを開発できる。x86、ARM、MIPS、SPARC、PowerPCなど主要なハードウェアアーキテクチャをサポートし、Linux、Windows、macOS、BSD系OS、Android、iOSなど主要OSで動作する。

 GStreamer 1.15.1は、次期リリース「GStreamer 1.16」に向けた開発版となる。現行版であるGStreamer 1.14は2018年3月に公開されている。GStreamer 1.16の公開は1月〜2月を予定しており、1.0/1.2/1.4/1.6/1.8/1.10/1.12/1.14と後方互換性を持つという。

 WebRTC実装を強化し、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)ベースのP2P通信のためのデータチャネルのサポートが加わった。BUNDLEのサポート、複数のRUTNサーバーのサポートなども加わった。

 MatroskaとQuickTime/MP4コンテナ向けのAV1動画コーデックのサポートが加わり、設定オプションも強化した。AOMedia AV1エンコーダー向け入力フォーマットのサポートも追加した。

 動画で、クローズドキャプションとAncillary Dataをサポートした。Matroska demuxerでWebMとMatroska ContentEncryptionのサポートが加わった。

 GStreamerのRustバインディングが正式扱いとなった。また、Masonビルドシステムのポートが完成した。このほか、多数の機能が加わっている。

GStreamer
https://gstreamer.freedesktop.org/