マルチメディアフレームワーク「GStreamer 1.6」リリース

 オープンソースのマルチメディアフレームワーク「GStreamer」の開発チームは9月25日、最新版となる「GStreamer 1.6」をリリースした。ステレオスコピック3D動画のサポートなど多数の機能強化が加わっている。

 GStreamerはクロスプラットフォームに対応するマルチメディア処理フレームワーク。GLib 2.0オブジェクトモデルをベースとしてC言語で実装されている。

 GStreamer 1.6は2012年9月に登場したGStreamer 1系の最新版。1.4公開から1年2か月を経てのリリースとなった。

 本バージョンではステレオスコピック3D動画およびマルチビューコンテンツがサポートされた。処理に必要なAPIをGstVideoライブラリに追加したほか、demuxerやデコーダーも強化した。高速な早送りなどを実現するトリックモードのサポートも強化され、キーフレームのみをデコードするよう選択できるAPIなど、トリックモードプレイバックの設定を可能にする新しいAPIやプラグインが導入された。

 ビデオライブラリでは汎用の動画変換関数が加わった。1.4のvideocovert要素は新しいコンバーターライブラリに入り、videoscaleコードはリライトされている。これにより性能が強化されるという。またV4L2(Video for Linux two)ではパイプラインを再スタートすることなくフォーマットの再ネゴシエーションを行うように強化された。

 メタデータ向けコード情報の汎用な手法であるKLV(Key-Length-Value)のサポートも加わっている。ネガティブDTS(Decoding Time Stamp)のストリームについてのDTSとPTS(Presentation Time Stamp)の処理、GtkGLSink、RTP/RTCP、RTSPスタックなどが改善されているほか、ネットワーククロックサポートも強化されている。

GStreamer
http://gstreamer.freedesktop.org/