Richard Stallman氏、「GNU Kind Communication Guidelines」を公開、コミュニティに親切なやり取りを求める
GNU Project創始者のRichard Stallman氏は10月22日、「GNU Kind Communication Guidelines」を発表した。女性がフリーソフトウェア開発に関わることを推奨することを目的としたもので、親切なやりとりを呼びかけている。
Stallman氏はガイドラインの発表にあたって、GNU Projectの開発が女性を遠ざけているという問題が8月に議論されたことを背景にあげている。
「一部のコミュニケーションのパターンが親しみにくい、歓迎されていない、拒否されている、不快という感情を抱かせており、GNU開発への参加を断念している人がいる」とし、GNU Kind Communication Guidelinesでは、約10項目についてコミュニティに配慮を求めている。Stallman氏は、フリーソフトウェアコミュニティにおける女性の比率は約3%、ソフトウェア全体では10%という数字を引用している。
その中には、投稿している人は善意からやっており、その人の意見に賛同できない場合でも、その人が提出したコード、テキストなどはその人の作品として受け入れて批判しないように、というものや、意見に同意できなくても敬意を持って接するように、辛い語調は用いずにその人個人を攻撃しないように、などがある。誇張しないこと、間違えた人に親切にすること、議論のトピックが迷走しないようにすること、自分の表現に対して他人から不満が出た場合は調整する努力をすること、無関係な政治的問題を持ち出さないことなどが入っている。
一方で受け手に対しても、自分のステートメントの批判は個人を攻撃しているのではないこと、個人の攻撃の形で仕返しをしないことなどと記している。
なおStallman氏は、このガイドラインは参加を諦めることがないようにという目標に到達するためのガイドラインであって、「行動規範(Code of Conduct)」のように強いルールを設けるものではないとしている。Linuxカーネル開発コミュニティは先に行動規範を策定している。
今回公開したガイドラインは最終版ではなく、意見や提案を歓迎するとのこと。
GNU Kind Communications Guidelines
https://www.gnu.org/philosophy/kind-communication.html