「Rust 1.28」リリース

 Mozillaのプログラミング言語Rust開発チームは8月2日、最新版となる「Rust 1.28」を公開した。アロケーターの変更が可能になるなどの機能強化が加わった。

 Rust 1.28は、6月に公開されたバージョン1.27に続く最新版。グローバルアロケーターとしてアロケーターを変更できる属性#[global_allocator]が安定扱いになった。グローバルアロケーターはプログラムがメモリを確保するために利用するもので、これまでは変更できなかった。本バージョンではメモリ割り当てシステムを定義できるGlobalAllocトレイトが実装され、これによってアロケータの変更が可能になった。ライブラリではまた、NonZero型が安定扱いになった。

 コンパイラでは、マクロパーサーのアロケーション数を削減し、コンパイル時間を改善した。以前から取り組んでいる診断関連の機能強化を継続し、1.28ではエラーメッセージフォーマットを強化した。–error-format=shortで特定することで、短いエラーメッセージを出すようにできる。また、macro_exportを複製してしまった場合にlint警告を出すようになった。

 パッケージマネージャーRustでは、srcディレクトリを修正するビルドスクリプトがついたクレートをパブリッシュできないようになった。コンパイルプロセス時にバグが入る可能性を防ぐためという。

Rust
https://www.rust-lang.org/