SIMDを利用するための文法が安定扱いに、「Rust 1.27」リリース
Mozillaのプログラミング言語Rustを開発するRust Coreチームは6月21日、最新版「Rust 1.27.0」を公開した。
RustはMozillaが開発する静的型付き言語で、Rust 1.27は5月に公開されたバージョン1.26に続く最新版。
文法面では、複数のデータに対する演算を1命令で処理できるSIMD命令を利用するための文法が導入された。すべてのアーキテクチャでSIMD命令が利用できる分けではないため、新たにstd::archというモジュールが導入され、アーキテクチャに応じて処理を変更できるようになった。
もう一つの重要な機能が、dynシンタックスの導入だ。Traitシンタックスと同等のもので、これまでのFooに代わるトレイトオブジェクトシンタックスとなる。
また、予約語リストからprocを削除、これによりprocを識別子として使えるようになった。
コンパイラでは、armv5te-unknown-linux-muslターゲットが加わり、ライブラリでも多数の強化が加わった。
なお、開発チームは1.27リリース直前に見つけたバグについて、未修正のままであることも報告している。1.26で導入したデフォルトのマッチバインディング機能における不具合で、1.27の次期ポイントリリースとなる1.27.1で修正する予定という。