性能改善などの機能強化を盛り込んだ「Rust 1.26」リリース
Mozillaのプログラミング言語Rust開発チームは5月10日、最新版となる「Rust 1.26」公開を発表した。
Rust 1.26は、3月に公開されたバージョン1.25に続く最新版。バージョン1.0リリース以来、機能強化が最も多く加わったリリースとしている。
新たに「impl Trait」が利用可能となった。これを利用することで、関数の戻り値として「指定したtraitを実装した任意の型」を指定できる。
また、参照に対するmatchがより簡潔に書けるようになったほか、指定した範囲の値を作成する「..=」という表記法が導入された。配列に対するパターンマッチに利用できるスライス表記も追加されている。
性能ではコンパイラの高速化を図った。深い入れ子型の速度がリニアではないことがあったがこれに対する修正を実装、これにより、コンパイル時間が最大12%改善したとしている。コンパイラでは、LLDがwasm32-unknown-unknownでデフォルトのリンカーとなるなどの変更も加わっている。
ライブラリの安定性も強化し、多数のAPIが安定扱いとなった。
Cargoでは、バイナリ版がRust版と同一になった。Cargo.lockファイルが公開したクレートに含まれるようになった。
開発チームは合わせて、Rust導入のeブック「The Rust Programming Language」の第2版も公開している。