米Red Hat、GPLv2やLGPLv2.1を利用するソフトウェアに対してもライセンス違反時の「猶予期間」を提供へ

 米Red Hatは6月18日、GPLv2とLGPLv2.1を利用する自社オープンソースプロジェクトに、GPLv3の「治癒」規定を受けられるように補完することを発表した。

 GPLv2やLGPL2.1などにはライセンス違反が発覚した場合、ライセンスが自動敵に消滅する規定(automatic termination)があり、これはライセンス違反時に是正(治癒)の機会や猶予期間などは与えられないと解釈されている。これに対し、2007年に誕生したGPLv3では治癒期間(30日か60日)が設けられている。Red Hatは今回、これをGPLv2/LGPLv2.1など古いバージョンのGPL系ライセンスにも適用するとした。

 具体的には、Red Hatが開始するオープンソースプロジェクトでGPLv2またはLGPLv2.1を利用するプロジェクトに対し、ソースツリーのファイルにGPLv3の治癒規定を入れるという運用になる。

 Red Hatは2017年11月に米Google、米IBMらと「Common Cure Rights Commitment」としてGPLv3の治癒期間の権利を約束している。GPL系ライセンスの施行による予測性と安定性を強化する取り組みとなり、今回の決定もその一部となる。

 Red Hatによると、かつてライブラリのライセンスとしてGPLv2かLGPLv2.1を多くが採用したが、最近はGPLv3、Apache License 2、MIT Licenseを選択することが増えているという。それでもGPLv2/LGPv2.1を選択するプロジェクトも多く、「GPLv3のライセンス終了ポリシーに拡大することは正しいことだと考える。治癒期間によりRed Hatコードを利用する開発者に安心を提供できる」としている。公式ブログで発表したRichard Fontana氏は、他社もこの動きに追随することを期待すると記している。

米Red Hat
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