米CoreOS、キーバリューストア「etcd 3.3」を公開

 米CoreOSのetcdプロジェクトは2月1日、分散システム向けのKey-Valueストア「etcd 3.3」を公開した。バックエンドデータベースが新しくなるなどの変更が行われている。

 etcdはGoで実装された分散システム向けのKey-Valueストア。格納されたデータのディレクトリ状構造での管理、分散合意プロトコルでのRaft採用、gRPCを採用したシンプルなインターフェイスを持つといった特徴がある。ライセンスはApache License 2.0。

 etcd 3.3は、2016年6月に公開されたetcd 3系の最新版。大きな変更点としてはバックエンドデータベースの変更がある。これまでは「boltdb/bolt」を使っていたが、CoreOS自身がここからフォークさせたプロジェクト「coreos/bblot」に変更された。ディスク容量の需要が大きいというフリーリスト同期を無くし、データベースの容量問題を緩和するとしている。

 実験的機能として、データ破損をチェックする機能が加わった。ストレージの状態をモニタリングし、破損が検出されたときにアラートを出す。データベースの状態を検査するフラグも実験的に加わっており、統合性をチェックしてサーバーを終了させることができるという。

 また、クライアントバランサーの強化により、クライアントの可用性を改善した。フェイルオーバーメカニズムも改善され、信頼性が低い通信上での利用を支援するという。

 v2 APIエミュケーションを導入、gRPCとProtocol Buffer依存性の問題を緩和した。例えばgRPCを公式にサポートしないPerlで、v3ストレージレイヤでv2 APIエミュレーションを利用できるという。

 このほかにもセキュリティなど多数の機能強化が加わっている。

etcd
https://coreos.com/etcd/