オープンソースの図書館管理システム「Evergreen 3.0」リリース

 図書館向けのソフトウェア「Evergreen」の開発コミュニティは10月3日、最新版「Evergreen 3.0.0」を発表した。スタッフ用のクライアントがWebベースになるなどの機能が加わっている。

 Evergreenは、図書の貸し出し・返却や公開カタログインターフェイスを提供するのに必要な機能などを集めた統合ライブラリシステム(ILS)。米ジョージア公共図書館で2006年に開発され、GPLv2の下で公開した。メタデータ検索エンジン、トランザクション処理エンジンなどの機能も持ち、拡張性にもすぐれるという。現在、世界で2000館以上の図書館で利用されている。

 Evergreen 3.0.0は、2011年1月に公開されたバージョン2に続く最新版。スタッフが利用するクライアントが新しくなり、Webブラウザベースとなった。別途クライアントソフトウェアをダウンロードすることなく利用でき、貸し出し、カタログ、収集などすべてのシステムにアクセスできる。公式にはChromeとFirefoxをサポート、デスクトップだけでなくモバイル端末からも利用できる。これまでのクライアント(XUL)も引き続き利用できるが、段階的にWebブラウザベースへの移行を進めるという。

 図書館利用者の記録を生年月日から検索したり、利用者記録のバッチ編集なども可能になった。デジタル化した蔵書票とタグのコピーをサポートし、公開カタログリストの見出し表示も改善した。

 Evergreen 3.0はLinux(推奨はDebian、Ubuntu、Fedora)をサポート、プロジェクトのWebサイトより入手できる。

Evergreen
https://evergreen-ils.org/