Node.js Foundationに対し不安を持つグループによるNode.jsのフォークプロジェクト「Ayo.js」誕生
JavaScript実行環境であるNode.jsからフォークしたプロジェクト「Ayo.js」が立ち上がった。Node.jsプロジェクトの行動規範が守られていないことに不満を抱いたメンバーが立ち上げたもので、オープンなガバナンスモデルを持つことを強調している。
AyoはGoogleが開発するJavaScriptエンジン「V8」をコアとするJavaScript実行環境で、Node.js同様、イベント駆動型のノンブロッキングI/Oモデルで、軽量と効率性を特徴とする。現行版、長期サポート(LTS)版、ナイトリーの3種類のリリースモデルをとる。
Ayoの支援者らはフォークの理由について、Node.js FoundationのTechnical Steering Committee(TSC)が行動規範が守られていないことについて対応していないため、と主張している。TSCのディレクターRod Vagg氏による行動規範に反する記事を支援するようなツイートをするなどの行為に対して不満が上がっており、8月21日、TSCはVagg氏が現職から退任するべきかについて投票をしたところ、60%がTSCから退任させることに反対したという。
Node.jsのTSCメンバーを務めていたMyles Borins氏は翌日、「TSCはNode.jsプロジェクトの関心に基づいた意思決定をしていない」とこの投票に反対を表明し、TSCメンバーを辞任している。
米GitHubが行なった調査「Open Source Survey」では、オープンソースプロジェクトへの貢献者の95%が男性、3%が女性となるなど、性別による差があることが指摘されている。調査ではまた、「自分が歓迎されていないと感じる言葉遣いやコンテンツを目にしたことがある」と回答した女性は29%だった(男性は13%)。
Node.jsについては、2014年末にもNode.js開発の方向性に不満を持った開発者がio.jsとしてフォークプロジェクトを立ち上った。io.jsはその後、Node Foundationに参加しNode.jsと統合された。Node.jsは米Joyentが開発した技術で、2015年にIBMやMicrosoftらとともにNode.js Foundationを立ち上げた。Node.js Foundationは、Linux Foundationの協調プロジェクトとして運営されている。
Node.jsはAyoの動きについて公式にコメントしていない。