独立非営利団体「Node.js Foundation」設立、米Joyentに加え米IBMやMicrosoftらが参加
米Joyentは2月10日、非営利団体「Node.js Foundation」の立ち上げを発表した。同社が開発を主導していたオープンソースプロジェクト「Node.js」の開発を統括する独立した組織で、米IBM、米Microsoftなど5社が創立メンバーとして参加する。
Node.jsはGoogleが開発するJavaScriptエンジン「V8」をベースとするJavaScript実行環境や関連ライブラリを提供するプラットフォーム。Joyentが開発を主導するとともに、開発者の雇用といった支援も行っていた。Joyentは2014年9月、最初のステップとしてアドバイザリボードを設置し、プロジェクトのガバナンス、規範、知的所有権、API互換性検証、開発者トレーニング、コミュニティー面、Webサイトの管理などに助言をしてきた。今回のFoundation設立について、JoyentのCEO、Scott Hammond氏は、「Foundationにより、Node.jsプロジェクトと多様なエコシステムのニーズにより効率良く応えることができる」と意図を説明している。
プロジェクトからFoundationに変革するにあたって、透明性とオープンなガバナンスモデルを確立し、コミュニティ主導となるようにするとHammond氏は述べている。具体的には、法務、財務などビジネス上の問題とコミュニティ開発を担当する理事会と、技術的な決定を主導する技術委員会を設ける。技術委員会は現在プロジェクト内でコアチームとして開発を進めている開発者で構成される予定。組織構造や運営については、Linuxカーネル開発など多数のオープンソースプロジェクトをホスティングする非営利団体Linux Foundationの助言も求めるという。
設立にあたって、JoyentのほかIBM、Microsoft、米PayPal、独SAP、米Fidelityが設立メンバーとして参加する。今後も支持する企業を追加していくとしている。一方で、Joyentは今後もNode.jsに深く関わり、例えば複数の開発者をフルタイムのNode.js開発者として維持していくという。
Node.jsについては、開発体制に不満を持つ開発者らが2014年に「io.js」というフォークプロジェクトを立ち上げており、2015年1月に「io.js 1.0」をリリースしている。io.js 1.0はNode.js 0.11をベースとし、最新のV8をサポートするなど、新技術の取り込みが遅いとされるNode.jsの技術上の問題に取り組んだ。一方、Joyentは2月に最新版「Node.js 0.12」をリリースしている。
Node.js
http://nodejs.org/