「GPLv3」公開から10周年

 Free Software Foundation(FSF)は6月29日、フリーソフトウェアライセンスの「GNU General Public License version 3(GPLv3)」が10周年を迎えたことを発表した。

 GPLv3は2007年6月29日に公開された。1991年に公開されたGPLv2からの改訂となり、その間フリーソフトウェアの脅威と位置付けられたTivo化(GPLで保護されているのに実質的には変更不可能になっているソフトウェアを含むコンピュータ)、デジタルミレニアム著作権法、ソフトウェア特許などへの対応を進めた。たとえばGPLv3で配布されるコードをDRMシステムの実装に使うことはできない、などだ。

 GPLv2との違いの1つが特許だ。Richard Stallman氏は「GPLv3にアップグレードする理由」として、「GPLv2ではプログラムのコピーを提供した企業が、そのプログラムの利用者と利用者から再配布を受けた人々を特許権侵害で訴えないことを保証するには、暗黙的な特許ライセンスを頼る」しかなかったのに対し、GPLv3では「利用者に対してプログラムの貢献者や再配布者からの明示的な特許権保護を提供」すると説明している。

 FSFによると、Free Software Directoryで公開されているフリーソフトウェアのうちGPLv3を採用するプロジェクトは2000以上あるという。一方で、LinuxカーネルなどGPLv2を採用しているものもある。

Free Software Foundation
http://www.fsf.org/