マルチステージを導入した「Docker 17.06 Community Edition(CE)」が登場

 米Dockerは6月28日、「Docker 17.06 Community Edition(CE)」を発表した。コンテナシステム構築のためのフレームワークである「Moby」をベースとした初のリリースとなり、マルチステージなどの新機能が導入された。

 Dockerはコンテナを実行するためのエンジンやフロントエンド、各種ツールなどを提供するコンテナ環境。Dockerの開発を主導するDocker社はサポート付きの商用版となるEnterprise Editionを2017年春に発表しており、これに伴って無料版はCommunity Edition(CE)として提供することになった。DockerはCEを小規模のチーム向けと位置付けている。

 Docker 17.06 CEは、Mobyをベースにすべてのコンポーネントを構築した最初のバージョンとなる。Moby ProjectはDockerが4月に発表したプロジェクトで、コンテナシステムを簡単にアセンブリできるフレームワークとなる。

 本バージョンでは、コンテナイメージ作成の際に使用するビルド用のコンテナイメージの設定を最終的なコンテナイメージを作成するためのDockerfile内に記述できる「Multi-stage builds」機能が加わった。コンテナの作成時にビルドが必要なケースなどで有効で、これによってビルドの際にのみ必要なパッケージなどを最終的なイメージに含まないように設定できる。

 また、統計情報を取得するためのエンドポイントがプラグインからも利用できるようになったほか、ログ機能も改良された。Swarm mode、ネットワーク、デスクトップエディションのGUIなども強化されている。

Docker CE
https://www.docker.com/community-edition