米Docker、独自のコンテナシステムを構築できるフレームワーク「Moby Project」を発表
米Dockerは4月18日、新たなオープンソースプロジェクト「Moby Project」を発表した。このプロジェクトの成果物を利用することで、同社が開発してきたコンテナ関連コンポーネントを組み合わせて独自のコンテナシステムを構築できるという。
Mobyは、独自のコンテナベースシステムを構築するシステムエンジニアに向けたプロジェクト。Dockerのカスタマイズや改良を考えている開発者や、さまざまなシステムで自分のプロジェクトをテストしたいオープンソース開発者、既存のコンテナシステムを自社の環境に適用させたいインフラ事業者などに向けたもので、Dockerなどのコンテナプラットフォームを利用するアプリケーション開発者を対象としたものではない。
同プロジェクトではコンテナシステムのバックエンドコンポーネントをオープンソースで提供する。提供されるコンポーネントとしてはローレベルのビルダーやログ機構、ボリューム管理機構、ネットワーク、イメージ管理、コンテナランライムのcontainerd、コンテナオーケストレーションのSwarmKitなどを例に挙げている。独自のコンポーネントを組み合わせることも可能。
これによって、コンポーネントをレゴブロックのように組み合わせてスタンドアロンのコンテナプラットフォームを作成できるほか、これらを構築、テスト、実装するツールも作成できる。リファレンスとなるアセンブリ「Moby Origin」も公開するほか、Mobyライブラリやそのほかのプロジェクトのコンポーネントで構成されるコンテナシステムのサンプルも用意する。コンテナを利用する開発者が実験したり意見を交換するフォーラムの役割も果たしたいとしている。
Docker自身もR&DラボでMoby Projectを使って、新しいコンポーネントの実験や開発をしているという。
Moby Project
https://mobyproject.org/