「Tor Browser 7」が公開、Firefoxのマルチプロセスやコンテンツサンドボックスが利用可能に

 Tor Projectは6月7日、匿名でブラウジングができる「Tor Browser 7.0」を発表した。「Firefox 53 ESR(Extended Support Release)」をベースとしており、Mozillaのマルチプロセスモードが利用できるようになった。

 Tor Browserは、世界に散らばる有志による分散ネットワーク経由で通信を行うツール「Tor」を使用してWebを閲覧できるブラウザ。閲覧したサイトや物理的な位置といったプライバシー情報の収集を回避できるほか、遮断されているサイトへアクセスできるというメリットもある。Firefoxの延長サポート版をベースにTor対応機能を加えており、WindowsおよびmacOS、Linuxに対応する。

 Tor Browser 7は、2016年5月末に公開された「Tor Browser 6.0」に続くメジャーリリースとなる。Firefoxバージョン52 ESRをベースとし、Firefox 52のUIとコンテンツを分離するマルチプロセスモード(e10s)やコンテンツサンドボックスの有効化といった機能がTor Browserでも利用できるようになった。

 なお、サンドボックスについてはWindows向けで作業中だが、LinuxとMac OS X向けはe10sとコンテンツサンドボックスはデフォルトで有効になっている。ユーザーは、Unix Domainソケットを使うことで、さらにセキュリティを強化できるとしている。また、Firefoxのアップデートを受けてWindows版ではSSE2対応でないCPUがサポート外に、Mac OS X向けではOS X 10.6/10.7/10.8のサポートが終了となっている。

 このほか、追跡への対抗としてクッキーやview-sourceリクエスト、Permissions APIをURLバードメインから隔離した。フィンガープリント機能については、WebGL2、WebAudio、Social、SpeechSynthesis、Touch API、MediaError.messageプロパティで無効化されたか、パッチを当てることで対応するという。

 Torはバージョン0.3.0.7、Torbuttonは1.9.7.3となった。Goは1.8.3、HTTPS-Everywhereは5.2.17となるなど、各モジュールも新しくなり、バグが修正された。

Tor BrowserはプロジェクトのWebサイト経由で入手できる。

Tor Browser
https://www.torproject.org/projects/torbrowser.html.en