ユーザーのプライバシー保護に特化したLinuxディストリビューション「Tails 2.0」
セキュリティやプライバシー保護を特徴とするLinuxディストリビューション「Tails」の開発者は1月26日、最新安定版「Tails 2.0」を公開した。GNOME Shellをベースとした初のバージョンとなる。
Tailsは「The Amnesic Incognito Live System」の略で、Debianをベースとし、DVD/USB/SDカードから任意のコンピューターで起動できるLinuxディストリビューション。TorやI2Pを利用した匿名でのWebブラウジングが可能なほか、電子メールクライアント、インスタントメセージクライアント、オフィススイートなどを備える。匿名でインターネットを利用できるほか、コンピューターに利用の痕跡を残すことがないという。ファイル、メール、インスタントメッセージの暗号化機能も備える。
Tails 2.0は2014年5月に公開されたバージョン1.0に続く最新版となる。デスクトップ環境にGNOME Shell(「GNOME Classic 3.14」)を採用、モダンでシンプルな環境を利用できるとしている。Debian 8が含む最新のGNOMEユーティリティーをはじめ、「LibreOffice 4.3」「PiTiVi 0.93」「Git 2.1.4」「Poedit 1.6.10」「Liferea 1.10」などパッケージが新しくなった。
「Tor Browser」はFirefox 38.6.0 ESRベースの5.5となり、日本語対応が加わった。メールは「Claws Mail」に代わって「Mozilla Thunderbird」を入れた。
systemdとinitも変更されており、名前空間を利用して多数のサービスをサンドボックス化し、セキュリティをより強固にした。また、Torの起動と終了時のメモリワイプ機能も堅牢にし、カスタムスクリプトを減らすなどコードをクリーンにする作業も施されている。これらに加え、HiDPIディスプレイのサポート改善など多数の不具合も修正されている。
Tails 2.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。
Tails
https://tails.boum.org/