「Kubernetes 1.5」が公開
オープンソースのコンテナクラスタ環境構築ツールKubernetesの開発チームは12月13日、「Kubernetes 1.5」を公開した。Windows Server 2016の初期サポートが加わったほか、ステートフルアプリケーションの実装の強化、マルチゾーンHA Masterなどが特徴となる。
Kubernetes 1.5は9月に公開されたバージョン1.4に続く最新版。本バージョンでは「StatefulSet」(旧名称「PetSet」)および「PodDisruptionBudget」がベータ機能となった。StatefulSetは永続的IDや永続的インスタンスストレージの作成、拡張、削除、修正などを実現するもので、ステートフルサービスの実装を容易にする。
PodDisruptionBudgetはPod(1つ以上のコンテナが集まったグループで、共有ストレージとコンテナを動かす方法についてオプションをもつアプリケーション固有のロジカルホスト)の集合レプリカの最小数や最小比率を設定するAPIオブジェクトで、クラスタオペレーションの運用に役立つものだという。「kubectl drain」コマンドを利用して安全にノードをドレイン状態にでき、ステートフルアプリケーションのデプロイやノードのアップグレードといったクラスタオペレーションを容易にできるとしている。
使い勝手も改善された。コマンドラインインターフェイス(CLI)である「kubectl」コマンドを改善したほか、マルチクラスタのフェデレーションの設定を容易にできる「kubefed」もアルファ段階の機能として加わった。クラスタフェデレーションでは、「ConfigMaps」(ベータ段階)、「DaemonSets」(アルファ段階)なども加わった。
また、Google Computing Engine(GCE)上でマルチゾーン高可用性マスターの作成や削除ができるHA Mastersがアルファ段階の機能として加わった。リクエストが多かったという機能で、「kube-up/kube-down」スクリプトを利用する。これによって複数のゾーンにまたがり、1つ以上のetcdレプリカをもつHAマスターを設定できる。
そのほか、Windows Server 2016ノードとWindows Server Containersのスケジューリングのサポートやアルファ段階のContainer Runtime Interface(CRI)におけるプラガブルコンテナランライムサポート、ノードの機能テストやシステム検証を提供するテストフレームワークNode Conformance Testのベータ導入といった機能強化も加わっている。
Kubernetes
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