「OpenBSD 6.1」リリース、arm64もサポート

 BSD系UNIX OS「OpenBSD」開発チームは4月11日、最新版「OpenBSD 6.1」を公開した。

 BSD 4.4ベースのUNIXライクなOSで、セキュリティを大きな特徴とする。OpenBSD 6.1は2016年9月に公開したOpenBSD 6系の最初のポイントリリース。リリースに合わせて選ぶ恒例の「リリースソング」は「Winter of 95」。

 ベースとするシステムコンパイラにclangを採用、arm64のサポートを実現した。armv7サポートも強化し、バイナリが利用するABIをEABIに切り替えたほか、新しいハードウェアのサポートも追加した。

 ベースシステムのバイナリアップデートのツールとしてsyspatchを導入し、X11ディスプレイマネージャーにはxdmのフォークとなるxenodmも加わった。syslogdも多数の強化や改善が加わった。

 ネットワーク関連ではIEEE 802.11スタックや汎用のネットワークスタックを強化した。pingとping6でのバイナリおよびエンジン共有など、ルーティングデーモンやそのほかのユーザーランドネットワーク関連機能も強化が加わっている。

 セキュリティでは、共有ライブラリ、動的/静的PIE(位置独立実行形式)、ld.soでRELRO(read-only after relocation)設計を導入、多くの初期データをリードオンリーで保護できるようになった。

 インストーラも強化し、対応するミラーサイトからインストールセットをフェッチする際にデフォルトでHTTPS接続を利用するようになった。また、インストールセットのフェッチとベリファイに特権分離を利用するようになった。このほかにも、C mallocオプション利用時のメモリ領域で発生するヒープバッファオーバーフロー検出の改善など、多数の細かな強化が加わった。

 OpenSMTPD 6.0.0、OpenSSH 7.4、LibreSSL 2.5.3、mandoc 1.14.1など、各種ライブラリやアプリケーションも更新された。GCC 4.9.4、Emacs 21.4/25.1、PostgreSQL 9.6.2などパッケージも新しくなり、LLVM/Clangが4.0になるなどコンポーネントも最新のものを採用した。

OpenBSD
http://www.openbsd.org/