DeepMind、TensorFlow向けニューラルネットワークフレームワーク「Sonnet」を発表

 Google傘下で人工知能関連技術を開発するDeepMindは4月7日、ニューラルネットワーク構築のためのフレームワーク「Sonnet」をオープンソースで公開したことを発表した。Googleの機械学習ライブラリ「TensorFlow」と組み合わせて利用するハイレベルフレームワークとなる。

 SonnetはTensorFlowの柔軟性、適応性を利用して構築した特定用途向けのハイレベルのフレームワーク。現在でもコードの開発を進めているが、リサーチのニーズを満たすレベルになったことからオープンソースで公開したと経緯を説明している。DeepMindは2016年4月にTensorFlowを採用しており、モデルの学習の高速化やコードの簡素化といったメリットが得られているという。

 既存のニューラルネットワークライブラリと類似点はあるが、DeepMindの研究目的に合わせて開発した特徴を備える。ライブラリはニューラルネットワークのTorch/NNと同様、オブジェクト主導アプローチを採用しており、一部の計算のフォワードパスを定義するモジュールを構築できる。モジュールはTensorのインプットで呼び出し可能で、Graphにオペレーションを追加し、Tensorアウトプットを戻す。変数の共有を自動化することで透明性を持たせたという。

 また、一部モジュールを任意のTensor入れ子グループでオペレーション可能にした。任意のヒエラルキーを操作するためのツールも備えており、違う種類のRNNを使っての実験を容易に行うことができるという。

 TensorFlow向けに設計されていることから、Tensorやvariable_scopesなどの詳細にアクセス可能。また、Sonnetで作成したモデルは生のTensorFlowコードと組み合わせて使うことができるとのことだ。

 SonnetはプロジェクトのWebサイトより入手できる。利用にはTensorFlow 1.0.1以上が必要。Sonnetは定期的にアップデートする予定で、今回リリースしたコード上に構築するフルライブラリを公開するという。

Sonnet
https://github.com/deepmind/sonnet