米Microsoft、オープンソースの機械学習ツールキット「Cognitive Toolkit」(CNTK)バージョン2を発表
米Microsoftは10月25日、オープンソースの機械学習ツールキット「Microsoft Cognitive Toolkit V2.0」を発表した。C++のサポートが加わったほか、Python向けAPIや性能も強化している。
Cognitive Toolkitは深層学習(ディープラーニング)アルゴリズムを実装するためのツールキット。これまで「CNTK」といわれていたもので、当初は音声を対象としていた。「Cortana」をはじめとしたMicrosoftの製品やサービス、さらにはアプライアンスメーカーLiebherr Appliancesなども同ツールキットをディープラーニングに利用している。
ディープラーニングアルゴリズムのトレーニングと評価を高速に行うことが可能で、精度を維持しつつCPU、GPUなどさまざまな環境で使用できる。Python、C++、BrainScriptからの多次元データを処理でき、ユーザー定義コアコンポーネントを加えることもできる。Python向けの数学演算ライブラリNumPyとの相互運用性もあり、ハイレベルとローレベルのAPIも持つ。すぐに使えるように30以上のコードサンプルも用意している。
本リリースでは新たにC++ライブラリとして利用が可能になったほか、Python向けの新APIが提供されるようになった。Python向けのサンプルやチュートリアルも追加されている。性能も強化され、Protocol Buffersのシリアル化、Fast R-CNNアルゴリズムのサポートなどが加わった。複数のマシンで構築した大規模なデータセットで高速な処理を行えるという。
Cognitive ToolkitはプロジェクトのWebサイトなどから入手できる。現在はベータ1リリースという段階とのこと。ライセンスはMIT License。
Microsoft Cognitive Toolkit
https://github.com/Microsoft/CNTK