Google、深層学習フレームワーク「TensorFlow 1.0」を発表

 Googleは2月15日、オープンソースの深層学習フレームワーク「TensorFlow 1.0」公開を発表した。高速化や柔軟性の強化、安定性の強化などが行われている。

 TensorFlowは深層学習(ディープラーニング)向けの機械学習ライブラリで、Google Brain Teamが20015年にオープンソースで公開した。Dropbpx、Airbnb、Snapchat、SAPなど多くの企業や組織で利用されており、Googleによると公開から1年以上でここから派生した6000件以上のオープンソースリポジトリが存在するという。Google内部でもGoogle Translateの改善など様々なプロジェクトに使われているとのこと。

 TensorFlow 1.0ではPython APIが安定扱いとなり、今後のマイナーアップデートリリースでも互換性が保証されるようになった。これによって今まで以上に運用環境での利用に適したものになっており、既存のコードとの互換性を気にすることなく新機能を利用できるという。またNumPyのリアセンブルも改善した。同時に、JavaとGo向けのAPIを実験導入した。

 このほかには、速度、柔軟性などで改善が図られた。線型代数学向けのドメイン固有コンパイラである「XLA(Accelerated Linear Algebra)」を実験導入するなどの強化により、8GPUでのInception v3の速度が7.3倍、64GPUでの分散型Inception v3トレーニングは58倍も高速になるという。

 柔軟性では、TensorFlow向けのハイレベルのAPIを導入した。tf.layers、tf.metrics、tf.lossesのAPIモジュールに加え、ニューラルネトワークライブラリKerasと完全な互換性のあるtf.kerasモジュールも利用できるようになった。

 ライブ環境でTensorFlowプログラムのデバッグができるAPI及びコマンドラインインターフェイス「TensorFlow Debugger(ftdbg)」も導入した。インストールプロセスも強化し、Python 3のDockerイメージも提供する。

 TensorFlowはWindowsおよびMac OS X、Linuxに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。

TensorFlow
https://www.tensorflow.org/