Git 2.10リリース、表示の改善や細かい設定強化などが行われる
Git開発チームは9月2日、分散バージョン管理システム「Git 2.10」を公開した。表示の改善や細かい機能強化が行われている。
6月に公開された「Git 2.9.0」に続くリリースとなり、76人の開発者が貢献した、このうち22人は初めての参加という。合計で639件の非マージコミットがあった。
「git push」コマンドの表示が改善され、実行されている処理とその進捗がリアルタイムに表示されるようになった。進捗表示の改善はほかのサブコマンドでも行われているという。また、「–force-with-lease」オプションでは複数の開発者が同時にpushを上書きしないために新しいrefを作成するようになった。
署名の検証機能も強化されたほか、ログやdiffの表示も改善され、より見やすく表示が行われるようになっている。サブモジュール関連の設定を行う.gitmoduleファイルでは、サブモジュールについてshallow clone(リポジトリ内の全履歴では無く、最新のコードのみを取得したクローン)を行わせるよう指定する「submodule.<name>.shallow」設定が追加された。
そのほか、使用するSSHコマンドを指定する「core.sshCommand」設定変数も追加された。従来から用意されていた「GIT_SSH_COMMAND」環境変数と同様の働きをするもの。そのほか「git archive」で8GB以上のファイルを処理できるようになった。
性能面での強化としては、「git fast-import」コマンドで「git fetch」コマンドや「git push」コマンドと同じように小容量のパックファイルの生成を回避することで性能を改善するようになった。「git upload-pack」や「git daemon」、「git apply」などのコマンドも強化されている。このほかにも多数の細かな強化やバグも行われている。