開発関連の機能を強化、マテリアルデザインを導入した「Chrome 53」がリリース

 Googleは8月31日、「Google Chrome 53.0.2785.89(Chrome 53)」を公開した。マテリアルデザインを導入したほか、開発関連で多数の機能が加わった。WindowsおよびMac OS X、Linux向けのデスクトップ版とAndroid版がリリースされている。

 Chrome 53は7月後半に公開された「Chrome 52」に続く最新版。開発関連の機能強化が中心となる。まず、新たに「Shadow DOM v1」をサポートした。Shadow DOMはHTML、CSS、JavaScriptのカプセル化とWeb Componentのテンプレート化を行えるWeb技術で、Web Componentのカプセル化と再利用を容易に行うことができる。

 また、W3CのPayment Request APIが導入され、Android版でクレジットカード決済やAndroid Payを使った決済を高速、安全、シームレスに行うことができるという。今後Androidに加えて、対応プラットフォームを拡充させるとしている。

 Chrome OSおよびAndroid M、Mac向けにはWeb Bluetooth APIも実験的に導入した。WebサイトがBluetooth Generic Attribute Profile(GATT)を使って近くにあるデバイスと通信できる機能で、Androidに通知を送りやりとりができる。Androidは「Android 6.0 Marshmallow」以上に対応する。このほか、Android版ではミュート設定された動画を自動再生する機能も加わっている。

 一方で、HTTP/0.9のサポートは打ち切られている。安全性のために非推奨となっていたTLS Diffie-Hellman鍵共有も削除された。

 エンドユーザー向けでは、新しいインターフェイスとなるマテリアルデザインを導入した。すでにバージョン52でMac版で導入が始まっていたもので、Windowsなどでも利用できるようになった。また、以前発表していた通りFlashの遮断がスタートした。本バージョンではWebページ解析などを目的にバックグラウンドで動作するFlashがブロックされた。

 バグも修正され、セキュリティ関連では33件の修正が行われた。この中には、深刻度のレベルが4段階中2番目に高い「High(高)」と分類されたものが13件含まれている。バグ発見プログラムの下で支払われる報酬金は、金額が決定しているものだけで合計で5万6500ドルになっている。

Google Chrome
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