Linuxカーネル4.7リリース、Radeon RX 480 GPUのサポートなど多くの新機能を追加

 Linus Torvalds氏は7月24日、新たな安定版Linuxカーネルとなる「Linuxカーネル4.7」をリリースした。AMDの最新GPU「Radeon RX 480」のサポートなど多数の新機能が加わっている。

 Linuxカーネル4.7は5月に公開されたLinuxカーネル4.6に続く安定版リリースで、7回のリリース候補(RC)版を経ての公開となる。

 ハードウェアサポート面では、「amdgpu」ドライバーでPolarisアーキテクチャをベースとしたAMDの最新GPU「Radeon RX 480」サポートが加わった。Intelの「EFI Capsule」機構のサポートも追加されている。バイナリデータ(blob)をEFIファームウェアに渡し、ファームウェア側でこれを処理する仕組みで、ファームウェアのアップデートなどで使われる。また、USB/IPではネットワーク上でのUSBデバイスの共有が可能となったほか、USB Gadget APIを利用して物理的なUSBデバイスなしに仮想USB Device Contorollersを作成できるようになった。

 システム関連では、動的に周波数を拡張するサブシステムcpufreqに新しいガバナー「Schedutil」が加わった。スケジューラの情報を利用して判断を行い、cpufreqドライバを起動してCPUの性能に合うように周波数を変更できる。また、ftraceではイベントヒストグラムを作成するインターフェイスが、prefではユーザースペースのコールスタックトレースを出力できる機能が加わっている。BPFでは「BPF_PROG_TYPE_TRACEPOINT」タイプが導入された。このタイプを利用して、カーネルのトレースポイントにアタッチできるプログラムを作成できる。ディレクトリ内にあるパス名探索の並列化も可能となった。そのほか、ファイルの一貫性を保つためのフェンシング機構をユーザースペースから管理するための機構であるsync_fileフェンシング機構が正式に導入されている。

 セキュリティでは、新しいLinux Security Module(LSM)である「LoadPin」が導入された。カーネルモジュール、ファームウェア、kexecイメージ、セキュリティポリシーなどカーネルが読み込むファイルがすべて同一のファイルシステムから読み込まれることを保証するもの。

 そのほか、メモリ管理機能の強化やファイルシステムの改善、新規ハードウェア対応なども行われている

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