2系のLTS版となる「Piwik 2.16」が公開

 オープンソースのログ解析プラットフォーム「Piwik」の開発チームは2月4日、「Piwik 2.16.0」をリリースした。バージョン2系の長期サポート(LTS)版となる。

 2015年10月に公開されたバージョン2.15に続く最新版。260件以上の問題を修正、30人以上が開発に参加したと報告している。本リリースはLTS版となり、次期版となるPiwik 3.0.0の公開から12か月後まで、大型かつ重要なセキュリティ問題、データの損失や破損につながる重要なバグに対する修正を受けることができる。開発チームによると、Piwik 3.0の公開は2016年後半を予定しているとのことだ。

 新たにビジターやアクションに応じて任意のカスタムデータを割り当てることができるプラグイン「Custom Dimensions(カスタムディメンション)」が導入された。Custome Variables(カスタム変数)に似た機能で訪問者数、コンバージョン率、ページビューなどのレポートを視覚化できるが、各ディメンションがメニューを持ち、レポート単位でウィジェット化できるなどの点が異なるという。Custom DimensionsはPiwik Marketplaceより入手できる。Marketplaceではこのほか、コミュニティーが作成した新しいテーマもリストされている。

 またGoalリポートで、特定の目標に到達した訪問者のリストを作成する機能も加わった。イベントレポートではすべてのカラムを表示するオプションが加わり、最小値、最大値、平均値などを把握できる。訪問者データを地図上にリアルタイムで表示する地図機能も強化し、ズーム機能が加わった。また、データのエクスポート機能ではすべてのデータを一括でエクスポートできる「all」が選択肢に加わった。ユーザー設定で24時間表示か午前午後(AM/PM)表示かを設定できるオプションも加わっている。

 訪問者がアクセスに利用している端末(Apple、Samsung、ソニーなど)を端末ブランドでセグメントできる機能も加わった。新しいセグメント「actionType」「actionUrl」も導入された。前者はページビュー、コンテンツ、サイト検索、イベントなどの特定のアクションのみをセグメントして表示するもので、後者は特定のアクションが合致するURLを表示するもの。セグメントでは範囲を指定できる「Starts with」と「Ends with」も加わった。

 管理者権限を持つSuper User向けの機能も強化し、HTTP経由で利用時に警告を表示する機能などが加わった。HTTPS接続の利用を奨励するためとなる。また、すべての設定値を見ることができる「Config File」ビューアが加わった。訪問者の滞在時間を追跡するHeartbeat機能も強化したほか、Piwikサービスがどのように利用されているのかを測定できるAnonymousPiwikUsageMeasurementプラグインも開発した。

 MySQLはバージョン5.7以上に対応した。このほかにも多数の機能が加わっている。

Piwik
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