米Microsoft、天体観測ソフト「WorldWide Telescope」をオープンソース化

 米Microsoftは1月9日、天体観測プログラム「WorldWide Telescope(WWT)」をオープンソースプロジェクトにすることを発表した。コードを公開することで同プログラムの拡張を容易にし、コミュニティ主導での機能開発が行えると狙いを説明している。

 WorldWide TelescopeはMicrosoft Researchが2007年にスタートしたバーチャル望遠鏡プロジェクト。「Microsoft Visual Experience Engine」をビジュアルエンジンとして採用したソフトウェアで、月軌道や小惑星から3Dベースで太陽系を見る、といったことが可能。同様のプロジェクトに、米Googleの「Google Sky」がある。

 ナビゲーション学術的資料やオンラインのリサーチデータベースとのリンクなどの教育コンテンツもあり、天文学者など専門家のナレーションも用意する。ガイドツアーの閲覧、作成、編集機能も可能。クライアントとしてWindowsアプリケーションのほかHTML5べースのWebアプリケーションや「Silverlight」ベースのアプリケーションを提供しており、タッチ対応デバイスにも対応する。クライアントの最新版は5.1。

 MicrosoftはWWTで複数の米航空宇宙局(NASA)機関をはじめ、カリフォルニア工科大学、シカゴ大学などの機関と協力しており、「文脈に基づく宇宙のビジュアル化を構築して無料で提供し、世界中の人々に利用してもらうという目標を果たすことができた」と報告している。

 WWTはこれまでも無料で公開されてきたが、今回ソースコードを公開する。これにより、個人や組織は自分たちのリサーチや教育ニーズに合わせてWWTの機能を拡張でき、コミュニティ主導での機能強化も図れるとしている。オープンソースプロジェクトに向けての移管作業は、OpenWWT Consotiumの加盟機関が中心となって進めていくという。ライセンスや公開の時期については触れていない。

WorldWide Telescope(WWT)
http://www.worldwidetelescope.org/