「DragonFly BSD 4.0」リリース、32ビット対応を廃止しx86_64のみをサポート

 BSD系OS「DragonFly BSD」開発チームは11月25日、最新版「DragonFly BSD 4.0.1」をリリースした。グラフィックサポートなどを強化したほか、i386アーキテクチャ(32ビット版x86)のサポートが廃止されている。

 DragonFly BSDはFreeBSD 4.8のフォークとしてスタートしたプロジェクト。「FreeBSD 4系の論理的な継続」と位置づけており、カーネルでのクラスタリングのネイティブ対応を目標とする。2系で独自開発のファイルシステム「HAMMER」を導入、その後SMP拡張性にフォーカスして開発が進んでいる。

 DragonFly BSD 4.0は2012年2月に公開された3系に続くメジャーアップデートとなる。グラフィックサポートを強化し、Intelの「Haswell」ファミリのGPUやOpenGLアクセラレーションをサポートする。

 カーネル関連では、/dev/upmapと/dev/kpmapの2種類のデバイスファイルが加わった。カーネルからの情報をシステムコールなしに直接メモりから読み込むことを目的としたドライバと説明している。また、CPUの上限が従来の63から256に増えた。

 ネットワーク関連では、複数のCPU上のUDP(User Datagram Protocol)スタックの処理がほぼ並列となり、性能が改善されたという。たとえば18バイトのパケットをUDPで伝送する際のトランザクション数について、「Intel Core i3-3770」と10Gbの「Intel 82599ES」ネットワークアダプタの組み合わせの場合、毎秒134万回だったのが112万回に抑えられたと報告されている。このほか、ARPやIP、IGMP、TCP、およびルーティングの性能も向上した。

 また、FreeBSDからurndisドライバをインポートし、USBテザリングが可能となった。これにより、共有のUSB接続を持つスマートフォンなどのデバイスをネットワークカードとして利用できるようになるという。FreeBSDからはif_laggも移植した。Packet Filter(pf)も強化され、複数のCPU上で並行して動作するようになった。

 DragonFly BSDはプロジェクトのWebサイトより入手できる。なお本バージョンよりi386アーキテクチャ(32ビット)のサポートは打ち切りとなっており、64ビットのみとなる。

DragonFly BSD
http://www.dragonflybsd.org/