サーバーライフサイクル管理Foremanを統合した「oVirt 3.5」が公開

 米Red Hat傘下のoVirt Projectは10月17日、オープンソースの仮想マシン管理ツール「oVirt 3.5.0」をリリースした。物理/仮想両対応のサーバー管理ツール「Foreman」の統合や、ストレージドメインのインポートといった機能が導入されている。

 oVirtは仮想マシンの管理インターフェイスを提供するソフトウェア。「VMware vSphere」の代替を目指すオープンソースプロジェクトで、Webインターフェイスを利用して容易にKVMベースの仮想マシンやストレージ、仮想ネットワークを管理できる。「Red Hat Enterprise Virtualization」のオープンソース版となり、高可用性、ライブでの仮想マシンマイグレーションとストレージマイグレーション、負荷分散などの高度な機能も備える。

 oVirt 3.5は4月に公開されたバージョン3.4に続くもので、ライブマージ、ストレージドメインのインポート、Foremanサポート、最新のインターフェイスなどを特徴とする。

 ライブマージは、仮想マシンを起動したまま不要なディスクイメージのスナップショットを削除する機能で、ボリューム間のデータ結合などの機能も持つ。複数のディスクをマージ可能で、各マージオペレーションは独立して実行されるという。

 また、ストレージドメインのインポートのサポートにより、既存のデータストレージドメインのインポートが可能となった。すでに提供しているISOのインポートとストレージドメインのエクスポート機能を拡大するものとなる。ストレージドメインが持つOVFファイル形式の設定ファイルに基づき、紐付けされたデータセンター設定にあるディスク、仮想マシン、テンプレートなどを再現できる。oVirt Engineデータベースの復旧時、設定間の仮想マシンの転送、異なるoVirt間でのストレージドメインのマイグレーションなどに便利としている。

 物理・仮想サーバーのライフサイクル管理ツールであるForemenの統合により、ベアメタルからoVirtへのハイパーバイザーの追加やプロビジョンが可能となった。インターフェイスも一新し、オープンソースインターフェイスプロジェクトのPatternFlyを利用してルック&フィールを新しくした。

 このほか、Authentication(認証)、Authorization(認可)、Accounting(課金)で新しいアーキテクチャを導入し、認証と権限付与の分離、開発者向けAPIの提供などが実現した。Optaplannerスケジューリングの強化、JSON-RPCのサポートによるメッセージベースの通信、ホスティングエンジンでのiSCSIのサポートなども加わっている。Windowsベースの仮想マシン向けのドライバとなるoVirt Windows Guest Toolsも、リリース候補として提供する。

 oVirt 3.5はプロジェクトのWebサイトより入手できる。Fedora 19/20、CentOS 6.5、Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 6.5などに対応、ノードおよびHosted EngineとしてRHEL 7とCentOS 7もサポートする。

oVirt
http://www.ovirt.org/