電子書籍管理ソフト「Calibre 2.0」リリース、EPUBとAZW3に対応した編集エディタを導入

 オープンソースの電子書籍管理ソフトウェア「Calibre」開発チームは8月21日、メジャーアップデート版となる「Calibre 2.0」をリリースした。EPUBおよびAZW3の両フォーマットに対応した電子書籍エディタなど、さまざまな機能強化が加わっている。

 CalibreはPythonおよびCで実装された電子書籍管理ツール。EPUBやFB2、LIT、MOBI、PDF、PDB、RTF、TCR、TXTZといったさまざまなファイルフォーマットに対応し、電子書籍の閲覧、ライブラリの管理、電子書籍リーダーとの同期などの機能を持つ。フォーマット変換機能も搭載し、Web上の記事をダウンロードして電子書籍フォーマットに変換する機能も備える。

 Calibre 2.0は2013年8月に公開したバージョン1.0に続くメジャーリリースとなり、新機能や機能強化が多数行われている。新機能として、電子書籍エディタが導入された。EPUBや「Amazon Kindle」が利用するAZW3形式の電子書籍の編集が可能。HTMLとCSSを利用し、編集しながら結果を確認できるライブプレビューやさまざまな条件での表示を確認できるレビューなどの機能を持つ。また、書籍の構造エラーやフォーマット化の際に発生するエラーを検出し、その一部を自動で修正するチェックツールも備える。エディタの導入により2冊の本の比較も可能となり、相違点をハイライト表示する機能もある。

 ライブラリの管理も強化され、小さなアイコンで分類を行える「エンブレム」機能が導入された。ユーザーが設定したルールに基づき自動でバッチ(エンブレム)を付けてくれるもので、電子書籍の分類を効率化する。このほか、書籍を一時的にマークする「マーク」機能も加わった。マークはあくまでも一時的なものであり、再起動すると消失する。

 対応プラットフォームも拡充し、Mac OS XでのAndroid(スマートフォンとタブレット)への対応を実現した。すでに対応済みのWindowsとLinuxと同様、Mac OS XにAndroid端末を接続すると、自動的にそれを検出する。また、Windows 8を搭載したタッチ画面タブレット(「Surface Pro」など)をサポート、タッチ操作でCalibreを利用できるようになった。

 内部的には「Qt 5」への移行が完了したほか、バグ修正などによって安定性が強化された。また、LinuxではXサーバーなしでもコマンドラインツールを利用できるようになった。一方で、Windows XPおよびMac OS X 10.7以前のサポートは終了となった。サポート対象外となったOSを利用したい場合は、Calibre 1.48を利用するよう助言している。

 Calibre 2.0はプロジェクトのWebサイトより入手できる。ライセンスはGPLv3。

Calibre
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