米Red HatがCentOS Projectに出資、RHELクローンの「CentOS」がRed Hatの正式プロジェクトに
米Red HatとCentOS Projectは1月7日(米国時間)、CentOS ProjectをRed Hatの支援プロジェクトとして傘下に収めることを発表した。Red Hat Enterprise Linux(RHEL)と互換性を持つ「CentOS」を本家のRed Hatが技術的、経済的に支援することで、プロジェクトの安定性と発展を加速するとしている。
CentOS Projectは2004年にスタートしたプロジェクト。RHELとの完全互換を目指し、Red Hatが公開するコードをベースに、商標や商用パッケージを除去したLinuxディストリビューションを開発する。ライセンスはGPL。プロジェクトは2004年にスタート、その間、2009年に創業メンバーが消息を絶つなどのハプニングもあったが、人気のLinuxディストリビューションとしての地位を築いている。なおRHELクローンとしては、欧州原子核研究機構(CERN)などが開発する「Scientific Linux」や米Oracleの「Oracle Linux」などがある。
Red HatはCentOSを支援するため、リソースや専門知識を提供するという。これにより、プロジェクトをよりオープンにして貢献者や開発者が利用しやすくし、安定性や技術開発を促進するとともにコミュニティとの結びつきも強める、としている。また、CentOS Projectの理事会(CentOS Governing Board)にコミュニティが選出した1人とRed Hatから選出された3人の合計4人を新たに加える。
同時にCentOSの開発コアメンバーのうち数人はRed Hatの所属となり、CentOSの開発に集中する。RHELには関わらないため、これまで通りの作業をさらに加速できると述べている。Red Hatはこのほかビルドシステムなども支援する予定だが、CentOS Project内でどのように利用するのかは今後決定するという。また、Red Hatの法務部門と協業できるなどのメリットも挙げている。
一方で、CentOS自体や、バグやインシデント処理プロセス、スポンサー向けコンテンツネットワークなどは変更ないとしている。CentOSの理事会は今後、ガバナンスモデルやロードマップなどを公開する予定だ。
先にFedora Projectが10周年を迎えたRed Hatは、RHELの商用ディストリビューションとしての開発と実装を加速する一方で、Fedora、そしてCentOSの開発を支援することで、「Red Hatの実証されたビジネスモデルを強化する」と述べている。
The CentOS Project
http://www.centos.org/
米Red Hat
http://www.redhat.com/