「Chrome 31」リリース、ネイティブコード実行機構「NaCl」で中間コードをサポート

 米Googleは11月12日、Webブラウザ「Google Chrome」の最新版となる「Chrome 31.0.1650.48(Chrome 31)」をリリースした。ポータブルなネイティブクライアント機能、Web決済入力補完などの新機能が導入されている。

 10月にリリースしたバージョン30以来、約6週間での最新版リリースとなる。Chrome 31では新たに、Webブラウザがネイティブコードを動かすためのネイティブクライアント機能「Native Client(NaCl)」を強化した「Portable Native Client(PNaCl)」をサポートした。NaClはC/C++で実装されたコンテンツをWebブラウザ上で実行するものだが、コンテンツはx86などのネイティブバイナリとしてコンパイルされていたため、対象とするアーキテクチャ/プラットフォーム上以外では実行できなかった。PNaClはネイティブバイナリではなく中間コードにコンパイルすることで、1つのバイナリで複数のプラットフォームに対応できるという。PNaClではLLVMの技術を利用しており、x86、ARM、MIPSデバイスなどをサポートするとのこと。また、性能も改善されるという。

 Web開発者がWebブラウザの入力補完情報にアクセスできる「requestAutocomplete」が加わった。利用にはユーザーの許可が必要だが、クレジットカードなど決済情報の入力を自動化できる。この機能は現在、Windows、Android、Chrome OSで利用できる。Mac OS Xでは利用できない。

 これらに加え、25件の脆弱性も修正した。このうち重要度が2番目に高い「High」は6件ある。

 Chrome 31はLinux、Mac OS X、Windows、Chrome Frameに対応、Google ChromeのWebサイトよりダウンロードできる。

Google Chromeのダウンロードページ
https://www.google.com/intl/en/chrome/browser/

米Google
http://www.google.com/